薄毛改善 マッサージ

※日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」を参考にしています。
※本記事内の口コミや体験談は個人の感想であり、個人差があり、効果効能を保証するものではありません。
※本記事は2023年12月時点の情報を掲載しています。最新の情報については各クリニックの公式サイトをご参照ください。
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薄毛改善のために頭皮マッサージをはじめたいが、正しいマッサージ法が分からず困っていませんか?

マッサージを正しく行うためには、爪を立てず、力をこめすぎないことが重要です。頻度を守ってやさしく頭皮をもみほぐせば、頭皮に余計なダメージを与えずに薄毛改善効果だけを得られます。

この記事では頭皮マッサージのメリット・デメリットのほか、約3分でできる頭皮マッサージや薄毛改善に役立つツボをご紹介しています。また頭皮マッサージを行ううえでの注意点やよくある疑問も合わせて解説しました。

薄毛改善に頭皮マッサージを検討している方は、参考になるのでぜひ読み進めてください。

1分でわかる!記事の内容

  • 頭皮マッサージは頭皮環境を整え、改善に導く頭皮ケアの1つ
  • 3分でできる頭皮マッサージ法
  • 頭皮マッサージを行う際は、「1日1〜2回」「適切な力加減」「手や道具の清潔さ」に注意しましょう

頭皮マッサージは薄毛改善に効果があるの?

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頭皮マッサージに発毛効果はありませんが、頭皮環境を改善に導く効果があるため、育毛や薄毛改善に役立つ行為です。頭皮や筋肉をほぐすことで、血行を促進したり、リラックス効果を引き出したりします。

この章では、薄毛改善に対する頭皮マッサージのメリット・デメリットを解説しているので、頭皮マッサージを取り入れるかの参考にしてください。

頭皮マッサージのメリット

頭皮マッサージのメリットは、以下の4つです。

  1. 手軽にはじめられる
  2. 血行を促進する
  3. 顔をリフトアップさせる
  4. リラックス効果がある

各メリットをそれぞれ解説します。

手軽にはじめられる

頭皮マッサージは、手軽にはじめられる頭皮ケアの1つです。基本的なマッサージなら道具なしではじめられます。準備なしでいつでもどこでも行えるので、習慣化しやすいのもメリットです。

費用はできるだけ抑えたいという方は、自分で行えばお金も掛かりません。自分で行うのが面倒くさい場合は、費用をかけてヘッドスパなどのサロンを利用するのもおすすめです。自身のライフスタイルに合わせて頭皮ケアを行いましょう。

血行を促進する

頭皮マッサージのメリットが、血行促進効果です。マッサージなどで皮膚や筋肉が刺激されると、反射的に血管が拡張され、血液の流れがよくなります。血液やリンパの流れがよくなることで、副交感神経が優位になり、さらに血行が促進します。

実際、花王株式会社のヘアケア研究所の研究では、圧迫法、強擦法、揉捏法というマッサージ法にて「頭皮における血流量変化は圧迫法が最も大きく上昇し、持続性も高かった。ついで、強擦法、揉捏法が効果的に血流量を上昇させた」という結果が出ています。(※1)

頭部の血液循環がよくなると、育毛に必要な栄養素も毛乳頭細胞へ届くので、育毛や発毛の手助けに頭皮ケアはおすすめです。頭部の皮膚細胞にも栄養素が行き渡るため、頭皮環境の改善効果も期待できます。

十分な栄養素や酸素は、ハリやコシのある健康的な育毛に欠かせない要素です。頭皮マッサージで血行を促進し、太く、健康的な髪の毛を育てましょう。

※1 【出典:曽我 元, 森田 康治, 新井 賢二:地肌マッサージの頭皮への作用

顔をリフトアップさせる

頭皮マッサージにはリフトアップ効果も期待できます。頭皮と顔の皮膚や筋肉はつながっており、頭皮を柔らかくすると顔の皮膚や筋肉が引き上げられるため、たるみやしわに効果があります。

血流のようにリンパの流れもよくなるため、むくみの解消も可能です。

頭皮マッサージのリフトアップ効果も合わせれば、薄毛やたるみなどによる老けた印象も改善に導けるでしょう。

リラックス効果がある

頭皮マッサージにおけるメリットの1つはリラックス効果です。血液やリンパの流れがよくなることで、副交感神経が活性化します。副交感神経が優位になると体が休息状態に入るため、心身ともに緊張が和らぎ、リラックス状態へと移行します。

多くの人は日々のストレスで交感神経が活性化している状態です。そのため疲労やストレスが解消できず、ため込んでいる状態となっています。頭皮マッサージを利用すれば、心身ともに回復できるようになるほか、自律神経も整えることが可能です。

頭皮マッサージには、ストレスによる薄毛改善効果も期待できます。

頭皮マッサージのデメリット

頭皮マッサージのデメリットは、以下の2つです。

  1. 頭皮環境を乱す可能性がある
  2. 長期間続けるのは面倒

各デメリットをそれぞれ解説します。

頭皮環境を乱す可能性がある

正しい方法で頭皮マッサージを行わないと、薄毛改善どころか頭皮環境を乱し、薄毛を悪化させる可能性があります。頭皮マッサージは、皮膚や毛根に刺激が加わるため、強い力をかけたり、マッサージをやりすぎたりすると毛根に大きなダメージが入りかねません。

毛根細胞が傷つくと髪の成長や発毛に悪影響を及ぼし、細く短い髪に成長する、抜け毛の悪化などを引き起こします。また爪を立てるなどで頭皮が傷ついたり、不潔な手でマッサージを行ったりすると、炎症を起こす可能性もあります。

そのため頭皮マッサージを行う際は、「施術前に手を洗う」「爪を立てない」「力をこめすぎない」「1日1回、3〜4分程度」を意識しましょう。

長期間続けるのは面倒

頭皮マッサージのデメリットは、長期間続けるのが面倒という点です。正しい方法や手順が求められるため、手間が掛かります。また数分間腕を上げ続けたり、力をこめたりする分、疲れがたまります。

そのため途中で面倒になり中断されることも珍しくありません。しかし育毛効果を発現させるには、根気強い頭皮ケアが求められます。頭皮マッサージも同様で、数カ月から数年は継続が必要です。

途中で中断しないよう、頭皮マッサージを習慣化するなら、決まった時間やシチュエーションでマッサージを行うとよいでしょう。毎日行っている習慣に付け足すように頭皮マッサージを組み込めば、負担もあまり感じません。

とくにおすすめの時間帯が、お風呂です。シャンプーを付けているときなら滑りもよいため、力をかけずにマッサージが行えます。入浴には血行促進やリラックス効果もあるため、頭皮マッサージとの相乗効果が期待できます。

ただしシャンプーは長時間付けていると頭皮が乾燥するため、マッサージを組み込む際は数分で終わるように調整しましょう。

薄毛改善に役立つ3分頭皮マッサージ術

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効果のあるマッサージを知りたいという方のために、1日1回、約3分間でできるセルフマッサージ法をご紹介します。頭皮血流量を効果的に上昇させることを目的とし、花王株式会社のヘアケア研究所の論文で考案されたセルフマッサージ法です。

論文内の実験では、施術20分後に約20%まで血流量が上昇した状態を維持することが認められているため、頭皮へのよい効果が期待できます。(※1)

セルフマッサージの流れと具体的な動きをそれぞれ解説するので、ぜひ取り組んでください。

※1 【出典:曽我 元, 森田 康治, 新井 賢二:地肌マッサージの頭皮への作用

1. 両耳の前後をやさしくもむ

人差し指と中指の腹で両耳の前後をはさみ、流すようにやさしくもみます。

2. うなじから胸に向けてさする

右手で左のうなじから左胸に向けて流すように2回さすります。

反対側も同様に、左手で行います。

3. 耳たぶを動かす

耳たぶを親指と人差し指ではさみ、円を描くようにもみます。

耳の縁に沿って上部まで移動し、上部まで来たら再び耳たぶまで戻りましょう。

その後、耳たぶを耳の外側に向けて少し強めにゆっくりと引っ張り、耳のふちに沿って上部まで移動します。

4. 円を描くように頭皮を動かす

指の腹でしっかり頭皮をつかみ、円を描くようにくるくる3回動かしたあと、3秒間指圧します。

この動作を頭皮全体に、6箇所から8箇所で行ってください。

5. 圧迫しながら皮膚を上に引き上げる

人差し指と中指で圧迫しながら皮膚を上に引き上げる動作を、もみあげ付近から中心へ少し間隔を空けつつ、生え際に沿って行いましょう。

6. 額の中心から小さな円で頭皮を動かす

中心にきたら両手の中指を重ね、額の生え際の中心に置きます。中指で圧迫しながら小さな円を描くように頭皮を動かし、少しの間隔を空けながら百会まで移動してください。その後、 百会で3秒間強めに圧迫し、ゆっくり 力を抜きながら離します。

7. 髪をかき上げるように手ぐしを通す

指をこめかみの生え際にあて、頭皮を引き上げるように強めに圧迫しながら、手ぐしを通します。もみあげから額の中心まで3段階に分けて手ぐしを通し、同じ動作を2回繰り返してください。

8. 頭部全体をリズミカルに弾く

両手の指先で、頭部全体をリズミカルにはじきます。

9. 後頭部のくぼみに指を置き顎を上げる

人差し指と中指を頭部のくぼみに置き、ゆっくりと 顎を押し上げます。この動作を3回繰り返しましょう。その後、大きく深呼吸して終わりです。 

【出典:曽我 元, 森田 康治, 新井 賢二:地肌マッサージの頭皮への作用

薄毛改善に役立つツボ

頭部には薄毛改善に効果のあるツボが8つあります。頭皮マッサージの際やちょっとした空き時間に、押してみるとよいでしょう。押すときは1つのツボに対して6〜8回、気持ちいいと感じる強さで押してください。

以下の表に効果をまとめたので、図解と合わせてチェックしてみましょう。

薄毛改善マッサージ
ツボの名称効果場所
百会(ひゃくえ)血行促進ストレス軽減
女性ホルモンの向上頭痛・肩こり・疲れ目の改善
左右の耳と頭頂部を結ぶ線と眉間から頭頂部に向かって伸ばした線が交わるところ
通天(つうてん)血行促進頭皮を柔らかくする百会から左右に指2本分斜め前にずらしたところ
天柱(てんちゅう)血行促進白髪改善顔のむくみ後頭部と首の境目にある2本の太い筋肉から外側のくぼみ
風池(ふうち)血行促進デトックス効果首・肩こりの改善天柱のすぐ外側、1cm上にずらしたところ
完骨(かんこつ)ツヤ髪を育成自律神経を整える代謝機能を整えるホルモン分泌の正常化耳の後ろにある出っ張った骨の下端から後ろ側のくぼみ
角孫(かくそん)血行促進抜け毛予防顔のたるみ予防髪の生え変わりサイクルを正常化耳の上にある髪の生え際(耳を前方に折り曲げ、先端が当たったところ)
神庭(しんてい)自律神経を整えるストレスによる抜け毛予防皮脂分泌を調整し、フケを予防前髪の生え際中央から1cm上のところ
瘂門(あもん)血行促進頭皮の緊張を和らげる髪のハリ・コシを育てる後頭部と首の境目にある中央のくぼみ

頭皮マッサージを行うときの注意点

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頭皮マッサージには頭皮環境を整え、育毛をサポートする効果があります。しかし頭皮に直接刺激を与える行為なので、やり方を間違えると炎症や抜け毛の悪化などの頭皮トラブルにつながりかねません。

そのため頭皮マッサージを行う際は、以下の3点に注意してください。

  • 適切な頻度で行う(1日1〜2回、1回につき3〜4分程度)
  • 爪を立てず、適切な力加減で行う(心地よく感じる程度)
  • マッサージ前に手や道具を洗う

マッサージするときは頭皮を傷つけないように、やさしさを意識するとよいでしょう。また1日2回マッサージをする場合は、まとめて行うことは避け、一定以上の間隔を空けてください。

頭皮マッサージでよくある質問

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この章では、頭皮マッサージに関してよくある質問に回答しました。

頭皮マッサージで抜け毛が増えるって本当?

頭皮マッサージには、血行促進やリラックス効果があるため、むしろ薄毛や抜け毛予防に役立ちます。頭皮マッサージで抜け毛が増えた場合は、力を入れすぎていたり、頻度が多かったりするのが原因かもしれません。

1度、ご自身のマッサージ法を見直してください。

マッサージ器やヘアブラシは使ってもよい?

基本的には、手によるマッサージのほうがおすすめです。機器やヘアブラシでのマッサージは力の調節が難しいため、頭皮を傷つける可能性があります。うまく手でマッサージができないときの補助として、マッサージ器やヘアブラシを利用しましょう。

まとめ

本記事では、頭皮マッサージは薄毛改善に効果について、薄毛改善に役立つツボや注意点を解説しました。マッサージの効果が期待できるかは、個人差によりますが、血行促進や顔のリフトアップなどのメリットもあるので、注意点に気を付けながら、定期的に実施することは良いでしょう。